一橋大学名誉教授 渡辺治氏が講演 10月21日
毎年恒例の講演会は、損保9条の会が今年第20回目、生保9条の会が第19回目を迎え、共同主催で10月21日(土)、東京都北区「北とぴあ」を会場に開催されました。一橋大学名誉教授で政治学者の渡辺治氏が「改憲と大軍拡で日本とアジアの平和はつくれるのか?ーいま改めて憲法の力を考えるー」と題して講演、岸田政権が突き進める戦争準備への動きをこれまでの自民党政権と比較しながら解明するとともに、9条が集団的自衛権の行使を許さず戦争させない拠り所として市民運動とともに活きた役割をなって担ってきたことを強調、日本が戦争に巻き込まれる大変危険な状況にあるが、9条は活きているし市民運動によって再び戦争を回避させることはできる、と市民運動を広げ高めていこうと結ばれました。講演後の質疑応答では「台湾有事で国家承認も国交もない日米はどう参戦するのか」「憲法の条文解釈を内閣が勝手に変更できるのか、それを止める術はないのか」「経済的な結びつきが強い米中が戦争したらとんでもない打撃となる経済界は、なぜ、だんまりを決め込んでいるのか」「今後の野党共闘の見通しが見えてこない、どう考えるか」などの質疑が出され、渡辺氏は次々と明快に答え、危険な動きを止める力は市民が運動を強め、野党を、政権を動かすしかない、と重ねて強調されました。
「朗読の会こだま」がなかにし礼さんの詩を朗読
講演会の冒頭で、生保のなかまで活動する朗読の会こだまのみなさんが、作詞家なかにし礼さんの「平和の申し子たちへー泣きながら抵抗を始めよう」を披露し参加者の喝さいをあびました。また、この間展開してきた、損保・生保の9条の会と海運・商社・銀行・外銀・労金・出版など産業・職場の九条の会との共同記者会見・宣伝署名行動の動画を上映されました。講演会には会場いっぱいの164名の方が参加、参加者からは「岸田政権のアメリカ言いなりの深刻さが理解できた。大変危険であり罪深いと思った。」「若い人から攻められたらどうする、ウクライナのようになったどうする、軍備増強はしかたない、といった声を聞くが、今日の話でこうした声にしっかりと答えていけると思った」「私達の頑張りで改憲を止めることができる、と元気と希望をもつことができた」などの感想が寄せられています。